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一人は皆と、皆は一人と、共に影響しあって、世界は動いていきます。
もう無関心ではいられない、世界の動きを検証します。
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■転機を迎える台湾(2) 【2003年12月1日】
国の徳 / 400年 / アイデンティテイ / 糸口
これから2004年3月の台湾総統選挙まで、いろんな動きがあると思います
が、その台湾ウォッチの手がかりをひとつ。おつきあいくださいませ。
■国の徳
台湾を考えるとき、「国の徳」という言葉が浮かんできます。
人間も、人生経験を通じて1人1人が徳性を磨いていくように、国家にも「その国の徳性」という、国の品格というものがあると思います。
日本が台湾とどのように付き合うかは、別な言葉でいえば、
国として徳のある付き合い方をしているかどうかが問われることだともいえると思います。
ざっくばらんに言えば、台湾の人々から、
日本や日本人とつきあえて良かった、ありがたいなと感じていただけるかどうかでしょうね。
個人で考えれば、「あなたと出会えてよかった、ありがとう」と言っていただけるかどうかです。
この「徳性」というものは、個人でも、国でも、磨くことができるといいます。
どんなときに磨けるかというと、
・順調のとき
・逆境のとき
この正反対の環境に置かれたときに、「徳性」というものは磨けるものなんだそうです。そういわれてみれば、そうですね。
その人の言動や、その国の有形無形の政策のおかげで成功したら、個人でも、国でも恩人だと感謝されます。
「困ったときの友が真の友」という格言にもあるように、四面楚歌に置かれた人や国をひと言励ますだけでも大いに感謝されます。
また、台湾の人々は政治的には苦しい立場が続いていますが、日本に親近感を抱いているといわれます。これは、台湾が逆境にあって徳性を身に付けているのだといえると思います。
統治時代の日本の政策が成功したからだとも言われますが、
その後日本は、1972年の日中友好と同時に台湾との国交を切るという、国としての付き合い方をしていますから、
今の日本や日本人は、台湾に尽した日本人統治関係者が過去に積んだ「徳」のおかげで、台湾の人々からの親近感をいまだに貰っているわけです。
日本が過去に積んだ徳を利喰っている状態、それが、日本と台湾の現在の状況なのかもしれません。
■400年
改めて、台湾の歴史をざっと見てみると、
1623年ー1662年 (39年) オランダが台湾南部を統治
1662年ー1683年 (21年) 明朝(鄭成功)
1683年ー1895年 (212年) 清朝
1895年ー1945年 (50年) 日本が領有
1945年ー2000年 (55年) 中華民国(蒋介石の国民政府など)
----------------- 初の民主選挙
2000年ー (3年) 中華民国(民進党)
----------------- 第2回選挙予定
2004年ー 中華民国( ? )
まだ、歴史に登場して400年という、ほやほやの地域なんですね。
・自分は中国人(漢民族、その他)であると思っている人
・自分は中国人で台湾人であると思っている人
・自分は台湾人であると思っている人
・自分はネイティブ(少数民族の種族)であると思っている人
が混ざって暮らしています。
台湾アイデンティテイをはっきり持つ人が、大勢を占めるまでにはなっていないのは、まだ400年ですから、ある意味でいたしかたないのかもしれません。
■アイデンティテイ
台湾の人がどんなときにアイデンティティを意識するか、をコメントしたコラムが以前産経新聞に載ってました。
日本に留学した台湾の学生が、日本にいる中国人留学生と話してみるとどうもしっくりこない。
で、日本人学生と話しても、やはり違和感がある。
そこで、はじめて、自分は中国人ではなく、日本人でもなく、台湾人なんだと分かってきたというのです。
じゃあ、その「台湾人」だという中心にあるものは何か、と考えても、まだはっきりはつかめない。それがきっと、これからの課題なんだ。というような主旨だったと思います。
以前、筆者が台湾独立派のシンポジウムに参加したときに、意地悪な質問をしてみたのです。
質問:「 共産党が支配する中国本土と一緒になりたくない気持ちは分かるが、数十年後に民主国家に変化した中国なら、一緒になる選択肢もあるのではないか? 」
応答:「 中国人(漢民族)の中華思想は「絶〜っ対」に変わらない。それに組み込まれるのは、断固断る。中国が民主化するのは、それはそれでどうぞおやりください。台湾は台湾で民主国家への道を進むのだ。 」
という内容の回答でした。
そのとき、改めて筆者は、中華圏の辺境の蛮族の小島として常に格下に見られてきた台湾の人々の思いの一端に触れたような気がしました。
■糸口
ここ当分身動きのとれない、台湾の問題がどうなるのかは分かりかねますが、
糸口はあるように思えます。
1945年8月に日本が台湾の領有を手放して、6年後の1951年のサンフランシスコ講和条約上でも、台湾の主権と請求権を放棄すると明言した日本ですが、
台湾の次の代表者を指名しないまま、空欄になっているという国際法上の事実を、国際的な発言として、日本が何かの機会に明言する手が使えると、外交専門家の岡崎久彦氏が指摘しています。
そうすれば、
中国が台湾を自国のものだといい張る根拠に正当性がないことが、世界に明らかになると。
これは、手放した張本人の日本が言うと重みがありますし、手放された側の台湾の人々には、大きな援護射撃になると思われます。代表権問題を表舞台に出す手助けをするわけです。
このとき、日本の発言をアメリカが支持するよう了解を取っておければ、かなりの上策なんでしょうね。中国の東アジア覇権を、この発言でかなり食い止めることができるのかもしれません。
また、
今の中華人民共和国(共産党中国)は、400年の台湾の歴史上1度も台湾を領土にしたことはないのだから、台湾の領有権はない。といっておられるのは、上智大学名誉教授の渡部昇一教授です。
筆者は、
やはり、台湾が「中華民国」という名前を捨てれば良いのではないか、と思えます。
・1945年9月に、当時の国民党軍が台湾に入ったのは、領有のためではなく、治安維持のための行政軍としてだった。代表権者は、まだ空欄のまま。
・1949年に、蒋介石が台湾に戒厳令を敷いて勝手に「中華民国」と名乗った。台湾の人々の自由意志ではない。
・国民党が構想した中華民国は、共産党中国に負けて、中国大陸に1度も領土を持ったことがなく、有名無実に終わった。
・その実体のない、自由意志で決めたのではない「中華民国」を名乗るから、中華人民共和国(共産党中国)が理論上対抗せざるを得なくなる。
・そうすると、世界各国も、国連などの組織でも、中国か中華民国かの1国を選ばざるをえなくなる。
ということではないかと思うのですが..。
国民投票をして、全員で国名を「中華民国」から「台湾」に変えたいでしょうが、そんな中央突破は、中国のミサイルを呼び込むだけですから、
まず、名前だけの「中華民国」を消しこんでいく作業をするのはどうでしょう。
今後、企業名や団体名、組織名を新設するときは、「中華民国」「中華」を決して使わないようにしていく。今ついている名称の変更も進める。
どうしても使いたい人は、「台湾」か「台湾台北」などを先にして、後ろに「中華民国」を置くようにする。
「中華民国」を使うとお金がかかるようにするとか、名称変更すると税金が安くなるとか。
それで、
中国への言い訳は、『いやー、あれは実体がないんでねー、』と言ってすまして置く。
その間に、水面下で必死にその他の台湾化政策を進めつつ、民主政治を成熟させていくのが、現実的かもしれませんが、どうでしょう。 <Rei>
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