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21世紀以降の社会の仕組みを支える最先端の技術がデビューを待つばかり。
技術を使いこなす智慧の目が問われる現状のヒントを考察します。
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■ワクチンの新しい概念 【2002年8月10日】
バイオ工学は各国の研究者がしのぎを削っている最先端の分野です。その植物バイオ工学の領域でも新しい概念が生まれ、研究成果が出てきています。食物を薬剤として使うというのですが、漢方ではない。
Nature Biotechnology誌 Vol. 18に、ニューヨークのボイス・
トンプソン植物研究所の研究者たちが寄せた報告によると、ジャガイモを使って食用のB型肝炎(HB)ワクチンを開発するといいます。
研究者たちは分子生物学の技術を使って、塊茎でB型肝炎表面抗原(HBsAg)を発現するジャガイモ植物を作り出すことに成功し、マウスへの実験に進み、一定の成果を出しています。まだ、人間が使えるまでには多くの課題があり、研究が必要ですが、食用ワクチンが開発されれば、今までのワクチンの概念を押し広げることになり、従来の高価なワクチン開発費用もぐっと安くできるのだといいます。
そのメリットを直接的に享受するのは、何といっても第3世界です。
蔓延する疾病のいくつかには、安く買える新しい食用ワクチンが広まれば、かなり効果があると思われるからです。ワクチンが医者の注射ではなく毎日の食物として摂取できるようになれば、病院や医師がいないところでも、保険婦さんや村のリーダーに食べ方を説明して十分広げられるようになるからです。
ジャガイモが世界の全地域の人々に食べられているかどうかは知りませんが、ぜひこの方法論を確立して、他の植物にも、他の薬剤にも挑戦してほしいと思います。
ただし、味はどうなんでしょうか。まだうんぬんする段階でもありませんが、しろうと眼にはそちらの方も気にかかります。3〜5年で何らかの成果が出てくる可能性が高いといいますから、新薬開発がその程度でできるのかと、逆に意外な感じも受けます。
このような、社会の要請に応える形で課題に取り組む研究のあり方は、アメリカが一歩先を行っています。社会を豊かに快適にしていく目的で、日本でも、もっともっと衆知を集めた共同研究がなされていいのではないでしょうか。さまざまなビジョンを掲げた研究プロジェクトを社会に告知し、一般からの投資を募り、資金を確保していく。そういった研究所のあり方が議論されてもいいように思います。
投資家も、そのビジョンに参加するという、美しい人生の経験を積むことができ、また生きたお金の使い方ができるようになるのではないでしょうか。日本人のお金の使い方が尊敬されないのには、こんなところにも何か潜んでいるように思えます。 <Rei>
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