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21世紀以降の社会の仕組みを支える最先端技術がずらり。
技術を使いこなす智慧の目が問われる現状を考察します。
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■ミネラル革命(2) ⇒(1) (3) (4) (5) (6) (7)【2003年2月10日】
ビタミンブーム / セルフメディケーション / 健康保険のないアメリカ
■ビタミンブーム
なかなかミネラルの話にたどり着きませんね。というのも、とても大きな問題なので、今は準備として、周辺の話から書いているからです。もう少し、おつきあいくださいね。
日本の昨今のビタミンブーム、健康ブームですが、その発祥はアメリカです。一昔前になりますが、アール・ミンデル博士の著書「ビタミンバイブル」という本が日本を席巻したこともありました。
その発端は1975年、アメリカのフォード大統領の提言からです。
アメリカ農務省はこの年に、「アメリカ人全ての年齢層の99%はミネラル欠乏症で、このミネラル不足によるアンバランスな状態のために心身の健康維持に問題を抱えている」と発表しました。
これを受けて、当時のフォード大統領が、「アメリカの医学は非常に進歩して莫大な医療費を年々使っているのに、ガンや心臓病などの病気は増えつづけ、医療費も増えつづけている。このアメリカ国民の病気の根本原因を追求して対策を立てないと、アメリカは滅んでしまう」と提言して、「栄養問題特別委員会」ができました。
2年の調査を経た1977年に、3,000人の医者、科学者、栄養学者による証言を含む報告書が発表されたのです。5,000ページのマクガバンリポートと呼ばれるものです。
それは、先進諸国をも震撼させる衝撃的な内容でした。
「ガン、心臓病、脳卒中などアメリカの6大死因となっている病気は、現代の間違った食生活が原因で起こる【食源病】である。この間違った食生活を改めて病気を予防する以外に、先進国民が健康になる方法はない」というものです。
「欧米化した食事」を間違っているとして、脂肪、動物性タンパク質、砂糖の取りすぎ、また、ビタミンやミネラル、食物繊維の不足も指摘していました。
これに従い、世界各国(日本は1985年)もこれに準じて食改善指針を出し始めたわけです。
さらに、アメリカでは1994年クリントン大統領のときに国レベルで、健康促進と医療費軽減策に取り組み、「栄養補助食品健康教育法」が制定されています。
1995年には栄養ジャーナリストとして名の知られたジーン・カーパー著「Stop Aging Now:年齢革命」がベストセラーとなり、老化はビタミン、ミネラルの欠乏症であることが具体事例を使って多数説明され、その重要性が広く普及されているのです。
こうして、アメリカでは栄養補助食品の一大ブームが起き、ビタミン類が大ブレークし、日本にも上陸したわけです。栄養補助食品業界が年々規模を大きくしているわけです。
■セルフメディケーション
こうしてみても、アメリカの健康への取り組みは国レベルです。政治家の問題提起、各分野の専門家の参加、総合的な見方、提言の普遍性には、感心させられます。
火付け役となった「栄養問題特別委員会」の委員は、大統領候補のマクガバン議員、パーシー議員、ドール議員、ケネディ議員などのそうそうたるメンバーが揃うなど、取り組みと対応のレベルの高さから、報告書は、世界の先進国に大きな影響を与え続けています。
日本では、この報告書を受けて「日本の伝統食」の見直しと復権に関心が集まりはしましたが、日本人の生活様式の優秀さを再確認することで終わってしまったようなところがあります。
やっぱり昔からの「ひじきの煮物やこんぶ、わかめが良いんだな、豆の煮物、納豆、豆腐がいいんだな」、程度です。各々の栄養素の働きと、それが不足するとどうなるのか、摂りすぎるとどうなるのか、どのように体内に吸収されるのか、などといった具体的な教育は、一般の国民になされなかったように思います。
ですから、日本のビタミンブームは、栄養学的なムーブメントというより、アメリカの流行ファッションのようなものでした。現在でも、痩せる、美容の観点が中心になっていて、その延長上に去年の中国輸入の毒入り漢方薬もあるわけです。
このアメリカと日本の取り組みの違いはどこからくるんでしょう。
このベースには、健康保険制度があるのではないかと思われます。
■健康保険のないアメリカ
アメリカという国には、国民全員を対象とした健康保険制度がありません。個人の自由意志で保険に入っていて、病気になったら保険会社から病院に支払われる仕組みになっているわけです。
この保険に入っていないで発病したら、目の玉が飛び出るぐらい高額を請求されるのがアメリカなのです。発病して手術などになったら、以後の人生設計が簡単に狂ってしまうといわれています。
こうした国ですので、ちょっと具合が悪くなったら病院へ、という日本のようにはいかないわけです。
病気になって困らないように保険には入りますが、いつ病気になるか分からない上に保険負担も安くはありませんから、こうしたお金は使いたくないと考えます。低額所得者は保険すら入れないということもあるようなのです。ですから、病気にならないよう、健康を維持するために投資しようとするのです。
「病気を自分で治す」のではなく、「病気にならないように健康を維持する」ということで、病気にならない身体をいかに作るかを、自己責任として人々がとらえているわけです。セルフメディケーションという考え方です。
病気になってから治療代金を支払うよりも、日ごろ予防に投資をするほうがはるかに経済的であり、また大金をはたいて治療をしても、もとの身体に戻らない、という認識が一般的に定着しています。
そう思ってアメリカ映画やテレビをみれば、よく主人公が歯垢を落とすのにフロスを使っていたり、ジョギングしていたり、散歩していたり、各種ジムやエアロビクスをしたり、サウナに入っていたりしませんか? それに、テレビショッピングや通販に健康器具の多いこと。痩せる商品も次から次へと出ています。タバコの害についても裁判で神経質なぐらいやっていました。
このアメリカ人の健康指向の底には、病気の面倒は国は見てくれない、という事実があるからだと思います。
来週は、日米の対応、意識の差にふれておきたいと思います、お楽しみに。
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