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一人は皆と、皆は一人と、共に影響しあって、世界は動いていきます。
もう無関心ではいられない、世界の動きを検証します。
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■操作される民族感情【2003年1月26日】
嫌米・反米の裏に / コワいアメリカ軽視 / 狭間に生きる国
■嫌米・反米の裏に
北朝鮮が、核開発を再開するといってアメリカや世界を脅しているときに、韓国では北朝鮮と融和しようという人物が次期大統領に選出されたり、不幸な事故を契機に大きな反米デモが起きました。
こうした微妙な時期に、なぜ韓国の人々が米韓同盟を損なうような嫌米感情を爆発させ、反米的な動きをするのか、不思議な感じがします。
朝鮮半島を安定的に繁栄させ、国際的にも協調していけるような国家をつくる「責任ある当事者」としては、百数十年前の李氏朝鮮も、現在の韓国も(北朝鮮も)、いまひとつ信頼し切れないと感じてしまうのは筆者だけではないのではないでしょうか。
なにか、危なっかしいなあ、と最近の韓国の動きを見ていましたが、やはり、心配しているようにブッシュ政権の周辺から、北朝鮮よりもアメリカに激しい非難を浴びせる韓国に対して、北朝鮮を脅威とみなさない韓国をアメリカが守る必要性は低いとして、駐留する在韓米軍を撤退させよ、という論調が複数出始めているという報道があります。(1/25付け産経)
もし、韓国の人々が、北朝鮮の脅迫外交をみて、表面とは裏腹に、無意識に朝鮮民族としての優秀さを感じたり、民族としての一体感や自信を感じたりするなら、それは大変危険な方向を含んでいるのではないでしょうか。
韓国以外の部外者から見れば、北朝鮮は民族感情に訴えて韓国を懐柔するだろうと、察しはつくわけです。先の反米デモも、一部では北朝鮮側のスリーパーが韓国各地で嫌米感情を煽って操作したとも見られているようです。
そういうこともあったのかもしれませんが、何よりも韓国の人々の心の中に、それに呼応する感情があり、それを利用されていることを自覚できているかどうかが重要なのではないでしょうか。
■コワいアメリカ軽視
百数十年前は、李氏朝鮮の朝鮮民族は清朝中国の属国として生きており、その後も各国列強の干渉を受けつつ政治的定見を持たずに日本に併合されました。1945年8月15日に日本が負けて撤退した後は、アメリカに軍政統治され、厳密には日本からではなくアメリカの支援を受けて1948年に半島南部が韓国として独立しています。北部はソ連に占領され、1948年に北朝鮮として独立しています。
その2年後には朝鮮戦争が起きました。ソ連に援助された北朝鮮側に、共産化した中華人民共和国軍が加わって朝鮮半島を南下してきたため、アメリカ軍と連合軍陣営16カ国が参戦してようやく38度線まで押し戻して休戦に持ち込んでいます。以後、現在にいたるまで、韓国には軍事的にアメリカ軍が駐留しているわけです。
この朝鮮戦争で韓国軍と一緒に共産勢力と戦って戦死したアメリカ兵は30,000人〜60,000人ともいわれます。自国の戦いに、アメリカ人の兵士が助っ人してくれて、現に何万人もの人が亡くなっているわけです。
角度を変えて見れば、民族の自尊心をいたく傷つけられた憎っくき日本を蹴散らしてくれて、独立できたのもアメリカがいればこそです。その後も、アメリカ軍が一緒に戦ってくれて、38度線での休戦も保てているわけです。いってみれば、アメリカは韓国の後ろ盾とも同じなわけです。
つまり、朝鮮半島はここ150年を見ても一貫して、援助や支援、干渉を含めた他国の強力な影響下にあり、国に対する独自の意思決定や行動を取るように生きてきてはいないわけです。
そして、共産陣営の本家のソ連が解体して東西冷戦の構図が終わったにもかかわらず、北朝鮮は特異な犯罪国家として自由主義陣営に対立して、核兵器を持とうというところにあります。
この危機に対して、アメリカは、米日韓の協調歩調を堅持しています。朝鮮半島の安定は、韓だけでは力不足なことをよーく分かっているからだと思います。
韓国の人々の心の中に、アメリカにはお世話になったという、こうした歴史的な事実に少しでも感謝しつづける気持ちがあるなら、最近のような激しい嫌米・反米行動までには至らないのかもしれません。
■狭間に生きる国
しかし、日本からの開放50周年目の1995年8月にも、韓国内ではアメリカや連合軍に感謝を表すなどの記念行事はなかったといいます。韓国の歴史教科書(中学『国史』)にも、アメリカが支援したという記述は2002年になくなり、国連軍という表記に置き換わっているといいます。(1/19付け産経)
この記事中で、韓国の大学生の一般的な意見として「朝鮮戦争時のアメリカの支援や現在の在韓米軍の存在は、『米国の国益のため』であって、感謝の対象ではないという」と、また、識者の意見として「国際関係に永遠の友人、永遠の敵というのは存在しない」として、韓国が反米・親米を国益の問題としてとらえていると紹介しています。
常に、大国の狭間に生き延びる悲哀を味わっている民族が身に付けた反骨心としたたかさが感じられます。誰からもどんな干渉も受けたくはない、自分たちのことは自分たちでやっていきたい、というところでしょうか。気持ちはわかりますが、実力があるかどうかです。
どうも、テロ国家の北朝鮮を米日とともに教導するより、同一民族としての融和策をとりたがっているようにもみえます。
しかし、東西冷戦の構図が終わった段階で、在韓米軍の戦略的意味づけも変わり、朝鮮半島におけるアメリカの国益も変化しています。民族自尊を尖らせて米韓同盟をないがしろにすれば、アメリカでは、さらに在韓米軍の引き上げ論が幅をきかせていくのだと思います。
もし、アメリカ軍が引き上げることになれば、アメリカの肩代わりをどこに頼むのでしょうか。さんざん非難しまくっている日本に頼めるでしょうか。日本人は非難を浴びつづけてこりてますから、韓国人のために生命を投げ出してまで戦う日本人は少ないと思いますし。
そうした中で朝鮮半島が統一されていった場合、核を含む軍事力の脅威を一番受けるのは日本です。
先ごろ、アメリカから内内に、北朝鮮が核保有国になるのを日本は認められるか、と日本に対して打診があったといわれますが、アメリカが朝鮮半島戦略の見直しに入る可能性が高いのではないでしょうか。当分、目を離せない朝鮮半島情勢です。<Rei>
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