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一人は皆と、皆は一人と、共に影響しあって、世界は動いていきます。
もう無関心ではいられない、世界の動きを検証します。
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■目が離せない周辺国 【2004年3月28日】
中国のリアクション / 軸足 / 違った目線
2004年3月の台湾の総統選挙が終わった時点で、
周辺国に見えているものを まとめてみたいと思います。
■中国のリアクション
今回の台湾総統選挙が終わり、野党勢力は、投票の再集計を要求したり、選挙無効を叫んだり、けっこう暴れていますが、
その裏には、やはり中国の影を感じずにはいられません。台湾への政治介入のきっかけが掴めたら、御の字です。
前回の総統選挙で台湾海峡に大砲を発射して脅迫した中国が、今回どんな手を出してくるか、慎重に見極めたいところです。選挙結果からして、台湾アイデンティティーが明確になりつつあることを、中国がそのまま黙って受け入れるとは思えないからです。
前回は、大砲で政治干渉して、世界の不評を買った中国なので、今回、あからさまな直接行動はせずにいます。ということは、「影でやる」ということでしょうね。
台湾の選挙結果が出たところで、台湾の民意という「アクション」に対して、中国の「リアクション」が出ないわけがないからです。
さっそく、
中国政府筋の「台湾情勢が混乱すれば、中国は座視しない」という談話が出たそうですが、これを裏付けていると、筆者も睨んでいるのですが..。
中国当事者にとっては、台湾内で与党vs野党支持者の一般人の暴動から、混乱、政治空白へと上手い具合にドロドロになってくれれば、台湾介入の絶好の口実に使えるでしょうから。
きっと、野党系にスパイや暴動を煽動する人員がいて、煽っている可能性が高いと、察しがつきます。襲撃もそうでしょうね、おそらく。
ナポレオンの辞書には「不可能」という文字がなかったのでしょうが、
中国の人々には、「目的達成のためにはナリフリ構わない」ことを「恥じる」政治メンタリティーはないと思います。
野党勢力は、政治的な混乱を巻き起こして、現総統+与党の責任にして、政治空白をどう作り出していくか。どんな理由を付けてでも選挙無効に持ち込みたいのでしょう。
それに対抗して、台湾本土派(現総統+与党勢力)としては、この野党系の挑発に決して乗らないことが必須事項でしょう。
そして、選挙結果という「民意」を法律として100%確定してしまうこと。これができて、初めて法治国家と言えるので、何としても、ここは法治主義を前面に出して進みたいところだと思います。
現在、報道をみる限り、台湾の一般の人々はごく平静に社会生活をしているということで、
民主主義がほんとうに根付いたのだなあ、と、改めて思われます。当分、目が離せません。
■軸足
一方の周辺国、韓国。こちらも、政治がゴタついています。
ノ・ムヒョン大統領の指導力に黄色信号が付いていたと思ったら、大統領弾劾可決です。
これは、大統領として仕事をすることを「一時停止」された状態です。
この状態が意味することは、つまり、韓国世論も大きく2分されて対立していることを表わします。
中国派(与党) vs 日米派(野党)の対立です。
この2〜3年、朝鮮半島ウォッチャーからは、韓国が国の軸足をアメリカ・日本陣営から中国に移し替えた、と指摘されていました。
朝鮮半島のように、両脇を大国に囲まれた小国は、どちらの大国に付くかが、自国の生きる道に大きく影響しますし、
常に、その時代の強いほうの国にくっついて、自国の安全と繁栄を図っていくわけです。言ってみれば、風見鶏、常に風向きを見て、いい方に付くわけです。
ですから、政治的な定見は持っていない、つまり、政治的な安定は得にくい地域なんです。
で、
韓国は、今までアメリカが強く一番だと考えてきましたが、中国の台頭とともに、次の世界一は中国だということで、歴史的に長く中国の属国のように生きてきたわけですから、国の軸足をアメリカから中国に替えたわけです。
もう、これは、理屈ではなく、抜きがたい民族感情なんでしょうね。
すでに、韓国の貿易相手国のナンバーワンはアメリカではなく、中国です。
また、中国と韓国では、お互いの国の語学教室熱、留学熱が高まって、旅行ツアーもちょっとしたブームです。韓国ファッションや韓国のファッションデザイナーものが、中国の都会でも流行っています。
中国と韓国は、蜜月関係に入っています。
こうした民族感情の高まりに乗って、ノ・ムヒョン大統領が当選し、
北朝鮮との融和路線を継承させ、反米・嫌米・反米軍デモを盛り上げ、日本の拉致被害者への冷淡な対応、などなどとなって具体化している韓国民意が、見て取れます。
なので、
ノ・ムヒョン大統領の韓国与党は、親中国派のことです。
この与党が、韓国野党=アメリカ・日本陣営派から、反撃を食らって大統領弾劾まで進んでいると見ていいと思います。
■違った目線
台湾、韓国とみてきて、次は北朝鮮ですが、
日本のマスコミの論調は、北朝鮮というと、今は拉致被害者一辺倒の見方しかしませんが、この見方だけをしていては、全体像が見えにくくなると思われます。
この、北朝鮮の動きですが、
金正日の言動がどんなに素っ頓狂なものだとしても、国際的・人道的にみてもヘンだとしても、
結局のところ、「中国に隣接する小国として、独自性を守りつつ、どう生き残るか」という点では、台湾、韓国、その他近接民族と同じ条件だからです。
北朝鮮から亡命して現在は韓国に住む元ナンバー2の高官(ファン・ジャンヨプ氏)が、まだ北朝鮮にいたころ、香港を含む周辺小国に関する良質な動静情報・分析に真剣に耳を傾けたということを
中国分析・評論の泰斗、中島嶺雄さんがどこかで書いていらっしゃいました。北朝鮮に、こんなにまじめに中国と東南アジア小国との係わりを考えている人がいるんだ、とびっくりした、といいます。
もっとも、金正日体制が受け入れるはずもなく、亡命したわけですが。
北朝鮮も、
中国に首根っこ捕まえられた状態で、万策尽きつつ、生き残ろうとして暴れていて、それで様々な悪の手に染まってしまっているとも、言えますね、ほんとに愚かですが。
こうしてみると、
中国が台頭して、中国の国際的影響力が高まるにつれて、
その周辺地域でも政治・経済から人心に到るまで、混乱するのは当然想定されることでもあるわけです。
周辺国の混乱は、冷静に、その奥にある中国vsアメリカ陣営との関係からも見てみる必要がありそうですね。
来週は、引き続き、最近の動静についてまとめます。お楽しみに <Rei>
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