
【 イスラムのゆくえ 】
序説
第1部
イスラム国寸描
「ユーラシア異変」
「イスラムとの遭遇」
第2部
文明の概観、経緯、特徴
「イスラム文明拝見」
第3部
文明の盲点
第4部
文明の今後 |
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2004年の年間テーマ【 イスラムのゆくえ 】
複数の視点と切り口から、このイスラムの行方に迫ってみようと思います。
1年を通して読んでいただくと、年間テーマが浮かび上がるように
してみたいと思います。
序説
「ユーラシア異変」
「イスラムとの遭遇」 第1部 イスラム国寸描 1〜3月
「イスラム文明拝見」 第2部 文明の概観、経緯、特徴 5〜6月
? 第3部 文明の盲点 8月〜
? 第4部 文明の今後 10月〜
の括りになるよう書く予定ですが、配信月など変わることも..。
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■イスラムとの遭遇(3) 【2004/02/22】
スカーフ / 家庭の中 / イスラム男性
バックナンバー
インドネシア旅行も3回目、家庭の中で見聞する男性、女性の印象は?
■スカーフ
イスラム圏中東のテレビ報道を見ていて、今ひとつ場面が楽しくないのは、ほとんど男性しか写らないからでしょう。たまに写るイスラム女性は、スカーフか全身ベール状のもので身を包んでいて、つくづく画面が単調だなあと感じてしまいます。
ところが、筆者のインドネシアのイスラム女性の印象は違います。
最初から一般家庭にお世話になったので、女性たちは家の中や、近所ではスカーフもベールもしていません。ごく普通の当地の服装をして、もちろん顔も見せていますから、非常に熱帯のカラフルさが印象に残っています。思い思いのおしゃれをしていました。
もちろん、学校の女子生徒の制服など、公式なものになるほど、イスラムが前面に出て白いスカーフが制服になったりしていきます。基本的に、女性の外出時はスカーフ・ベール着用となるので、
見ようによっては、本音と建前のような、妙に原則にこだわる癖となって出ているようにも思います。
「公式さ」の度合いによって、その辺り、イスラムの女性たちはかしこく行動しているのだと思います。
例えば、特に中東では「イスラム女性の写真撮影は厳禁で、強行すれば命にかかわる」とも言われますが、当の女性本人たちが宗教上の理由から写真を嫌がっているというよりはむしろ、
写真を撮らせたことをイスラムの同朋男性に非難され、社会的な制裁を受けるのを恐れている。この辺りに、本音がありそうです。
周りに誰もいないときは写真を撮らせてくれていた女性が、一旦イスラム男性の姿が見えた途端、嫌がっているのに写真を無理強いされたように見せて、逃げていった。などというのもあるようですね。
何はともあれ、女性たちはおしゃれが好きですし、カラフルでした。
■家庭の中
日本で知っていたイスラムの常識のひとつに
・男尊女卑
こういった先入観が、家庭の中に入ってみると、ちょっと違うぞ、と気づかされました。
スカーフだ、ベールだ、夫以外に姿を見せない、と、まだかなり抑圧的な部分も持ちながら、
家庭の中では、女性が全般を取り仕切っている家がほとんどだったように思います。
インドネシアも家族の人数が多く、力のある者が一族郎党を養うスタイルですから、親戚の貧しい子どもを家の手伝いをさせつつ寝泊りさせて学校にやったり、居候がいたり、住み込みのお手伝いさん家族がいたり、にぎやかです。
また、イスラム圏中東も、部族制で一族郎党が集る家庭を運営するのは女性です。
そういった10人、15人、20人を滞りなくまとめていくのは、その家の女性で、実にリーダーシップがありました。
日本で言えば、中小企業の部長さん、社長さんのような感じでしょうか。頼りがいのある「お母さん」が多かったです。
イスラム圏では、男性は社会的な物事に責任を持つ、女性は家庭の中の物事に責任を持つ。お互いに、自分の守備範囲については自由にやり責任を持つ。その代わり、相手には口出しさせない。
そんな分業があるように思えます。
この辺にも、自分たちは女性を差別しているのではないが、区別は必要だと言うイスラム社会の論理があります。
イスラム男性は、家庭内のことは奥さんの判断を尊重して、やることに口を挟まないようですね。
10年、20年、30年経ち、イスラム社会が開かれていき、イスラム女性も徐々に社会進出していくでしょうが、長年大家族を取り仕切ってリーダーシップを磨いてきた彼女たちが学校に行き社会に出たら、とても有能で、活躍する人が多数出てくると思われます。
その意味では、日本の核家族育ちの女性は、いかにも世間知らずでひ弱そうに見える部分もあります。
筆者がインドネシアを去る頃には、イスラム女性に真顔でこんなことを言われていました。
「日本は男尊女卑なんだそうね、インドネシアの男性は優しいから、結婚してここに住めば」
■イスラム男性
国旗に、真一文字に「剣」が描かれているイスラム国もあるほどです。
イスラム教の創始者のマホメットも、迫害を受けて一旦メディナという街に避難して、メッカに聖戦を仕掛けて勝っているように、戦うイメージが強いですね。
こうしたイスラム圏の男性を筆者から見ると、どう見えたかですが、
戦後日本の骨抜き状態の国からインドネシアに入った筆者の目には、充分にイスラム男性は男っぽく感じられました。
どこが、と言われると困るのですが
ひとことで言うと、「決然」としています。
それは、大人だけではなく、小さな男の子もそうなんです。
熱帯の自然環境も過酷ですし、人生環境も苛酷だから子どもも甘えていられない。そのような環境が影響しているのは確かでしょうし、
過酷な自然環境では、男性の体力、行動力、決断力などの優位さが際立ちますし、女性は保護すべき存在として遇されてきたのは、ごく自然です。
が、突き詰めていくと、
「男性が優位にある」とコーランにあることが、イスラム圏男性のリーダーシップと誇り高さの源にあると思われます。
欧米系のマッチョではないのですが、唯一絶対のアッラーの言葉ですから、人間がどうこうするものではない次元の問題なのでしょうね。
インドネシア各地を回り、スマトラ島北部にあるトバ湖という美しい熱帯の湖に行った時、展望レストランでの食事中に、突然その観光に同行した男性が30分後に正面を見てね、と言って車で出かけました。
正面は湖で、遠くの対岸は絶壁です。高さは分かりませんが、少なくとも10mか20mかありそうです。
湖面は穏やかで、熱帯の午後の日差しを浴びてきらきらしています。周囲の緑と水の青と絶壁の岩肌がすばらしい景観を作っています。
何だろう、と、湖を眺めて食べていました。
すると、対岸に小さく車が現れ、男性が出てきて大きく手を振っています。どうやらその方のようです。
と、
服を脱ぎはじめ、パンツひとつになると、大きく息を吸って湖にダイビングしたのです。
映画「ミッション」の冒頭シーン(逆十字で滝壷に落ちていく)のように。
..ヘェッ?!...
トバ湖の水に濡れた髪を撫でつけながら戻ってきたその方は、筆者にプロポーズしました。
「第2夫人になってください!」
その方の奥さんは、オランダとインドネシア混血の元ミス・スマトラのエキゾチックな美人なんです。
ウーン、これには恐れ入りました。
来週は、イスラムの断食などを取り上げます。 (Rei)
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