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人前で話す人の教養のタネ ひとくち漢文
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【 イスラムのゆくえ 】

序説

第1部
イスラム国寸描
「ユーラシア異変」
「イスラムとの遭遇」

第2部
文明の概観、経緯、特徴
「イスラム文明拝見」

第3部
文明の盲点

第4部
文明の今後

2004年の年間テーマ【 イスラムのゆくえ 】

複数の視点と切り口から、このイスラムの行方に迫ってみようと思います。
1年を通して読んでいただくと、年間テーマが浮かび上がるように
してみたいと思います。

             序説
ユーラシア異変

「イスラムとの遭遇」  第1部 イスラム国寸描        1〜3月
「イスラム文明拝見」 第2部 文明の概観、経緯、特徴  5〜6月
?           第3部 文明の盲点          8月〜
?           第4部 文明の今後          10月〜


の括りになるよう書く予定ですが、配信月など変わることも..。

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イスラムとの遭遇(1)  【2004/02/08】 

卒業旅行 / 文化の果てるところ? / 第1夜

バックナンバー


今回から数回、趣向を変えて、
初めて筆者がイスラム世界に触れたときの印象をかいつまんでみました。

ニュースで流れるイスラム圏の報道の、その後ろに広がる世界をほんの
少しでも感じていただけるものになったらうれしいです。おつきあいくださいませ。

(現在のインドネシアはもっと発展してますし、筆者のイスラム見聞もごく限られたもので、イスラム世界の今とは対応しない面が多々あると思いますので、ご了承願います。)



■卒業旅行

筆者が初めて海外に出て、訪れたのは何と東南アジア、ン十年前のイスラム国のインドネシアです。

学生の、今で言う卒業旅行のはずでしたが、

インドネシアに行きたいという友人にくっついて行き、初めての海外体験を考えていた筆者の思惑とは逆に、出発の2週間前を切って、友人は盲腸で突如入院してしまい、行かないと言い出しました。

でも、すでに旅行を吹聴していましたから、

大学の学生課から、前年にインドネシアでプール事故を起して当地の手厚い看護を受けた日本人の大学院留学生の感謝の贈り物を届けて欲しい、大学からも病院に感謝の手紙を届けて欲しい、とか、

○○さんの友人の○○さんに手紙を渡して欲しい、とか頼まれごとを受けていて、その荷物も手元に届いていて、今更、相棒が盲腸なんで行けないとは言えなかったのです。

当時、筆者は、海外の国々を見てみたいと願ってましたが、インドネシアに特に関心はありません。準備もなくただ、友人におまかせでした。

そこで、

まあ、これもワンチャンスだと考えて、急遽1人旅に乗り出しました。

せっかくだから、今回は東南アジア各地を回りたい、でも女性1名でいかにも無用心です。

そうだ、女性なんだから、家庭に入り込もう。ホテルは使わずに、個人の家を泊まり歩いて各地をめぐろう。そこで、いろんな会話に花が咲くだろう。家で話すからにはかなり深くいろんな人と話せるはずだ。

泊まる家には、日本のお土産を持っていこう。

家庭だから、男、女、子ども、老人。いろんな人に渡せるように、かさ張らない多種類のものを用意しよう。と、トランク一杯に思いつくだけのお土産を詰め込みました。

そして、大学のインドネシア研究会に出かけ、古いインドネシア語辞典をもらい、基本会話20文ほどと、基本文法、マライ語との違いなどの説明を聞きました。

彼らも、なんで君が寄りもよってインドネシアに行くの? という目です。当時筆者は、ドイツ研究会のメンバーでした。

なんと言っても時間がないのと、歴史を調べたり、興味あるテーマを見つけたりする余裕なく、慌しく2週間後には出発していました。


■文化の果てるところ?

世界地図で眺める国は、どれも、インドネシアという国も、学生だった筆者には空想の域を出ない怖いもの知らずの旅行でした。

非常に無邪気に、ナイーブに、同じ人間が住んでいるのだから大丈夫、と思っていました。

インドネシアに入る前に香港、シンガポールを経由したのですが、

税関では、トランク一杯のお土産にクレームがつき、入国してヤミで商売するのではないか、などと別室で調べられ、そのたびに、「東南アジアの家々を泊まり歩く構想」をぶち上げて説明するわけです。

係官は、ビニール袋にきれいに包装されているから、これは商品だと言い張ります。

「いや、これは、これから泊まらせてもらう家の人々へのお土産です。プレゼントにラッピングは必要でしょう」

「ほんとにプレゼントなら、プレゼンド先と日程を申告してください」

「そんな! これから泊まる家族を探すのだから、今は書けない。泊まりながら移動する旅行をするんです、インドネシアを」

「インドネシア? 止めなさい。あそこは、文化が低すぎて、違いすぎて人の住むところじゃない。東南アジアでもっとほかに見るところあるでしょう!」

「はあ..?!(何があるんだろう?)」

といった調子ですから、インドネシアに逆に、怖いもの見たさの興味が湧いていきました。

海外旅行初心者の自分から見ても、香港といい、シンガポールといい、かなり異国という感じがしていたので、その彼らが「あそこは、違う!」と言うのです。何だろう、と思いました。

少なくとも、中華系の人々はそう見ている人が多いのかもしれないと気づかされました。


■第1夜

インドネシアの首都、ジャカルタの空港に到着したのは、夜の10時過ぎ。タラップに身体が出た途端、全身独特の熱気と、今まで嗅いだことのない未知の匂いに包まれました。その国の匂いですね。

税関では、今度こそヤミ商売人と間違えられないように、卒業論文を書く目的でインドネシア各地を回る話にして、にっこり笑ったのがよかったのか、滞在先と日程が未定な日本人女子大生のお土産は問題なく通りました。

そして、到着ロビーに入ると、申し訳程度の照明なんです。電力がなくて節電しているんだろうと、待ち人も来ないので、その夜は空港ロビーで明かして、朝に市内へ入ることにしました。

トランクを枕に横になり、暗闇に慣れてくると、布1枚を身体にかけてうずくまる人々がこちらを見ているのに気づきました。わずかな照明にいろいろな瞳が反射して人間だと分かるわけです。

空港ロビーは、家のない人にとっては、雨露を凌ぐ格好の寝場所でしょう。熱帯なので、屋根さえあればOKです。

そうこうするうち、飛行機が1機止まり、数人の乗客が降りてきて、足早に市内へと去っていきます。ひとりが近づいてきました。

「日本の方ですか?」

「ええ、インドネシアの待ち人が来ないので、朝までここにいようと思うんです」

「出迎えは、よくすっぽかされる。会社の駐在事務所が寮になっているので、よかったらいらっしゃい。明日の朝、どうするか考えればいいでしょう」

ダーウィンからの便が故障で遅れて、夜更けにジャカルタに到着した飛行機に乗っていた日本人商社マンの方の好意で、その夜は、ジャカルタ駐在所の寮に泊まらせてもらいました。

こうした第1夜でしたから、何があっても、ごく自然体で行こうという感じです。

翌朝、その寮でご馳走になった洋食。レタスの野菜サラダ、ドレッシングとマヨネーズ、トースト、マーガリン、苺ジャム、かりかりのベーコンエッグ、フレッシュミルク、ネスカフェなどは、この朝食が最後になりました。

その日、寮を辞して、昨晩すっぽかしたインドネシア人の両親の家を訪ね、押しかけ居候を始めたからです。

来週は、イスラム国での居候生活です、お楽しみに
 
(Rei)

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