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ネポティズムを超えて(2) 【2003年4月27日】  民度に比例 / 世界のネポティズム度 (1)(3)(4)


先週は、イラクの復興と民主化の最大のハードルが、ネポティズムからの脱却なのだという話でした。
今回は、私たちが住むこの世界の「ネポ度」をみてみます。

■民度に比例

世界を見渡してみると、政治にも民度にも段階があることに思い当ります。

判断の基準は何かというと、「ネポティズム」を脱しているかどうかです。

国民全員が乗り越えていないと、公平で開かれた社会にはなかなかなっていきませんし、独裁政治も出やすいように見えます。

血縁や情実やコネではなく、みんなで決めた法律でものごとを遂行していく法治国家になるには、かなりの努力が必要になります。

ネポティズムが横行する社会では、

権力者も家族や縁者でまわりを固め、忠誠を誓う者だけを要職につけて周辺を固めていくのは当然の成り行きでしょう。その部下たちも、自分の縁者をまわりにつけ、権力と付随する富を独占していきます。その部下も同様に、職権での旨味を吸おうとするでしょう。

そういった国の人々は、表立っては何も言いませんが、有力者とはそういうものだと、ごく当たり前のことだと理解して(諦めて)いるのがほとんどです。

ですから、

親類縁者に有力者がいる人は縁者を頼り、ない人はあらゆる知恵を絞って「つて」をたどり、ワイロ、袖の下、裏金などのお金を使って有力者とコネをつけ、人生を拓こうとします。

企業家は権力者に取り入り、癒着、腐敗、身びいき人事をしていきます。法律はあってもなきがごとしです。

彼らにとって、人生の問題を解決するには、「大人の知恵を駆使する」ことでもあるわけです。

ニワトリと卵の関係で、一向に社会が清浄化していきません。全員がネポティズムにどっぷり浸かっている状態です。

特に、「豊かな者は施しをするのが当然だ」という考え方が根強い社会では、このネポティズムが国の近代化の阻害要因になっているようです。

おもしろいことに、

このネポティズムですが、共産・社会主義体制、民主主義体制にかかわらず出ることです。それだけ、人間の根深い自己保身と金銭欲、支配欲、恐怖心、虚栄心に簡単になじみ、根絶はむずかしいのだ思われます。


■世界のネポティズム度

ざっと世界をみても、

●イラク - フセインと息子2名、身内と取り巻きの独裁恐怖政治で、首都バグダッドには高級幹部と家族が住んでいたそうで、北朝鮮と同じです。復興と民主化も、部族社会優先の意識を変えられるかどうかにかかっています。

●北朝鮮 - 金正日に忠誠を誓う特権階級のみが富を享受し、国民は密告と飢餓線上に生きています。

●韓 国 - 歴代の大統領が親族を周辺につけ、汚職を繰り返しています。血族を何よりも重んじて、出世した同族に寄生するのが当然という風土です。盧武鉉大統領にも、就任後に親戚においしい話が殺到していると朝鮮速報が伝えています。

●中 国 - 数千年間続くネポティズム社会で、抜きがたいコネ社会です。中国の人々は、身内至上主義で権益を享受する高級幹部の子弟を、コネ社会のアダ花と皮肉をこめて「太子党」と呼びます。
また、各国に散らばる華僑や結社は、ネポティズムそのものの生き方を貫く中国人独特の生き方です。

●東南アジア - インドネシアのスハルト大統領以下、フィリピンはマルコス大統領など他の東南アジアも、アジア的な家族主義のマイナス面として、ネポティズムが蔓延しています。権力者のファミリーが特権的なビジネスを独占。インドネシアで「KKN(カー・カー・エヌ)」といえば、「腐敗・癒着・身びいき主義」を指します。

●アフリカ - 出身部族を優遇することが原因で民族対立、部族対立が激化して、それがまた強権と小さな独裁者を生む土壌ともなっています。

●東 欧 - ソビエト連邦崩壊後に生まれた新興のイスラム小国では、強権と独裁とネポティズムが表裏一体となっており、新しい火種となっています。

●中 東 - サウジをはじめ、王族が国土と国民を「所有」して政治を担当し、石油の富を享受しています。

●中南米 - 所属する党の縁故に頼る政治家のネポティズムが指摘されています。

●ヨーロッパ - 厳然とした階級社会で上下意識と格差がはっきりしています。イタリアのマフィアはウラ社会のネポティズムで有名です。

●アメリカ - アングロ・アメリカンが優位に立ち、ヨーロッパ階級社会を意識しています。石油カルテルのセブン・シスターズも、よそ者を入れない閉鎖的なファミリー・ビジネスで利権を守ります。

●日 本 - 二世議員が地盤を守る風潮が出ています。企業のウラ献金も出ています。

このネポティズムの克服がどれほど難しいかわかります。

ネポティズムの問題点は来週に続きます、おたのしみに  
<Rei>

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