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備えの実態  【2004年11月01日】 
   非常用グッズ / 自治体の温度差 / 一歩先行く東京の防災



今回は、新潟県中越地震で気づかされた防災意識の温度差を取り上
げてみます。おつきあいくださいませ。



■非常用グッズ


新潟県中越地震の発生でわが身を振り返り、ヒヤッとした方も多いのではないでしょうか。


しまった! 非常用食品捨てちゃったゾ、ウチは。


1995年の阪神淡路大震災後に、わが家でもひと通りの非常用グッズを揃えてあります。


ですが、



期限切れとなって処分して以来、乾パンなどの非常食やペットボトルの水、乾電池も3年、5年と経つうちに面倒になり、補充していないからです。

災害直後は大切に思えた防災グッズも、平和な時間が続くにつれて場所ふさぎなものになっていました。

ついには去年の大掃除の際に、防災グッズを押入れの奥に押し込めるようになっていました。
押入れの奥に入れたら、災害発生時にすぐに活用するのはまず不可能でしょうから、これでは非常用グッズはないのも同然です。


室内は平和な日常生活用品に溢れていますから、


「非常用グッズ」はいかにも「非日常」の「緊急用」なものであり、日常生活空間に置くと違和感があります。

目につくたびに、なにか、非常に自分が心配性な小心者のようにも感じてオーバーな気もしていました。「杞憂」「杞憂」という言葉も浮かんできます。

で、

次第に、奥へ、奥へと追いやられ、押入れの奥に..。

そして、大掃除の際に、すでにだいぶ前に期限切れになっていたミネラルウォーターも、当座のインスタント食品も、まとめて処分してしまいました。

なにか、地震恐怖症にでも掛かっていて、そこから回復したかのように、どんどん捨てて、ついでに恐怖心さえも捨てたような気がしていました。


...ホントに、「災害は忘れた頃にやってくる」ということですね。


もっと、シンプルに、当座の3日間を自力で乗り切る「厳選非常用グッズ」にしておこうと思います。

というのも、

あれもこれも必要だ、と詰め込んだ「非常用グッズ」はとても重く大きかったからです。あたかも、「生存」への執念のようにです。


この、防災、備蓄ですが、どこまでしておけばいいものか、実に悩ましい問題です。

つまり、維持するにはそれなりの費用も、手間もかかるからです。



■自治体の温度差


自然界の災害は、その規模がやはり大きいですね。

ライフラインの寸断、家屋などの倒壊・損壊などなど。一旦災害に遭えば、その復旧には行政の力がかかせないと、今回もつくづく感じさせられます。

被災個人が力の及ぶ範囲で自立していくように努力するのは当然としても、それ以上の地域の復旧には自衛隊、行政+ボランティアが動かないことにはニッチもサッチもいかない面があり、

阪神淡路大地震の教訓が今回生かされた点もあり、新たな課題が持ち上がった点もあり、地域の特性や災害の特性などにより、きめ細かな対応がされているわけではないようです。

すでに、新聞にも、被災各市町村の首長が、災害(地震)復旧マニュアルの詰めの甘さを反省する声も挙がっているとおりです。

これは、

やはり、たまに起こる災害ですから、災害復旧マニュアルもどうしても詰めが甘くなるのはいたしかたのない面があります。


今回も、


新潟県の小千谷市、長岡市、その周辺の山間部の町村で、事前に微に入り細に入り災害(地震)復旧マニュアルが検討されていたとは思えません。

ほとんどが、

この山間部に直下型地震が起こるとは、夢にも想像していなかったのではないでしょうか。


ですから、その点を割り引けば

阪神淡路大地震の教訓が生きて、ボランティア体制も割合スムーズに組まれ、他県などからの応援も順調に動いているようにみられるとおりです。


他の自治体関係者も、

今後さっそく、自分の担当地域の災害(地震)復旧マニュアルの再検討に入るのではないでしょうか。


歴史的にみて、東京は1923年の関東大震災を経験して、当時14万人の死者を出しているため、大都市の地震災害を想定した対策には、意識的に取り組んでいる自治体です。

あとは、東海地方の各県でしょうか、災害(地震)復旧マニュアルがかなり充実しているのは。

それ以外の県は、

今回の新潟県の被災各市町村と50歩100歩なのかもしれませんね。



■一歩先行く東京の防災

ちなみに、東京都の防災対策をみてみます。

1923年の関東大震災を経験した東京ですので、地震対策がかなり強力に推進され、それなりの体制が整っている自治体です。鈴木都知事が、この14万人の死者を2度と出してはならないと決意して、かなり徹底して将来を見通した対策を実行したからです。

長谷川慶太郎氏が自著「危機管理の鉄則」で書かれたとおっしゃっておられますが

災害時の備蓄食糧は、全体で1680万食準備されているそうです。
東京都民が1200万人ですから、必ず都民は1食は災害備蓄食糧の配布を受けられる計算です。

この災害備蓄食糧は、毎年、毎年、更新するわけですから、かなり本気で予算をつけ、継続する決意がなければ続けられません。

かなり、本気なんです。

これに対して、横浜市は災害対策用備蓄食糧が30万食しか準備されていないのだそうです。つまり、横浜市は、全員に食糧を配る意思はない、ということです。


さらに

東京都は、鈴木都知事の時代に、総額4兆円を超える災害対策予算を組み、災害時の準備を徹底しています。

その一例が、「水」です。

東京の水道幹線のかなり深い地下に、大きな備蓄タンクを設置してあり、震度5以上の地震が発生すると、そのタンクを出入りするすべての弁が閉じ、一番新しい水が東京都内32箇所に貯まるシステムを構築してあるのだそうです。

震度5以上の大地震が発生した場合、東京都民は1人1日3リットルの水を3週間受け続けることができる備蓄水が準備されているというのです。

こうした内容は、

東京都の防災対策」という印刷物に、備蓄食糧の貯蔵場所、水道ネットワークなどなど、かなり細かに記載されているのだそうです。インターネットからも、概略はみられます。


かなり膨大なマニュアルですので、印刷物全ページに目を通すことは、専門家でなければなかなか骨が折れますが。

その中をパラパラみていると、

災害時の東京都内の給水スポット194か所の住所と地図が出ています。

単純計算すると、1給水所で都民62,000人をまかなうことになり、4人家族として15,000人がポリバケツを手に並ぶということになります。


うーん、やっぱり


3日間分程度の、1人1日3リットルは用意しておいた方がよさそうですね。


備蓄をどれほどするか、は、東京都の4兆円という数字を聞くと、個人で用意する負担感が軽く感じられてくるから不思議ですね。

来週も、時事テーマでお送りします、お楽しみに
  <Rei>

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