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経済を眺めるコツ  【2004年7月18日】 (経済関連)
   人間を幸福にする経済 / 循環 / ラスト・リゾート



普段何気なくやり過ごしているものに経済の仕組みがあります。

改めて、正面から「経済」を「ひと言で表現すれば...」何と言えるものでしょうか?

分かっているようで、実は、案外分かっていないものだと気づかされます。

今回は、この世界規模で日々行われている「経済」の入り口を眺めてみます。




人間を幸福にする経済



「人間を幸福にする経済 − 豊かさの革命」 2003年、PHP新書

これは、日本経団連の会長に就任した奥田碩氏の著書のタイトルです。

日本の財界トップが世に問うた、未来社会への提言の書ですが、筆者は思わずそのタイトルに引かれて買ってしまいました。(^O^)

これは、まさに、「人間と幸福と経済」を統合する時代を日本が迎えていることを端的に表わしていると、筆者は考えます。その意味で、このタイトルは非常に魅力的です。

今後、日本や世界の財界人は特に、「人間と幸福と経済」を統合する方向に衆知を集めていくということを表わしているからです。


「経済」という言葉はいろんなものに付きます。思いつくだけでも「貨幣経済」「信用経済」「商品経済」「市場経済」「計画経済」「自由経済」などなど。

しかし、「経済」と「人間」と「幸福」の関係がどのようになるのがベストな姿なのかは、

人類はまだまだ試行錯誤している通りです。この奥田碩氏の著書も、そうした「経済」と「人間の幸福」をどうしたら実現できるのかを考察した試案&提言なのです。評価も賛否両論出ているようですが、

こうした提言や考察がトップから出てくる、それが、世界の中で現在の日本が置かれている立場なのだと言えるでしょうね。


ここ100年間を見ても、「自由主義経済」と「マルクス主義経済」の優劣をめぐり、私たちは世界全体で文明実験まで行うことになり、ようやく、マルクス主義経済は人類を幸福にはしない思想だということが身に凍みた状態なわけです。

では、従来型の自由主義経済、

つまり、自由主義経済を採用する国家群の陣営が今後も従来どおりの独り勝ちをし続けるのかといえば、そうはならないということを意味しているものなのです。

なぜかといえば、

マルクス主義経済思想が一方の極端思想であるのと同様、従来型の自由主義経済思想もまた他方の極端思想を含んでいるからです。

単なる自由主義経済のままで繁栄・発展し続けるのは、限界が来るということを意味します。それは、各歴史年代、文明の発展規模の違いなどなど、経済を取り巻く世界環境が違ってきているからです。

現代文明は、かなり発展して世界規模での経済活動が日々行われており、こと、経済に限ってみれば1国のみの閉鎖した経済で完結するものではありません。

もう、よほどの地域に限定した未開部族でもない限り、鎖国状態で国内だけで経済が完結するものではありません。

現状を直視すれば、私たちは日々、世界規模での貨幣経済の一部を体現しつつ、生産活動を行い、賃金・報酬・利益を得て、生活しつつ人生を生き渡っていくわけです。

ですから、

自国のみの利益、自国のみの繁栄、を追求する自由主義経済思想やその経済手法は通用させようとしてもできなくなっているものなのです。

この原則は、1人の個人の収支、家族単位の家計収支で考えればよく理解できることなのですが、

規模が国家レベル、国際レベルと広がると、関連経路も複雑になるので、途端に分からなくなってしまうというのが私たちの段階なのだと思われます。

それを見てみましょう。



■循環

経済は、貨幣というものに代表させた「何らかのプラスの価値=商品/サービス」を人々の間に還流させて、行き渡らせることで、人々を豊かにしていく仕組みと行為です。

人々の間に「何らかのプラスの価値」を還流させて、行き渡らせた結果として、経済は人々を幸福にしていくものだと言えます。

ですから、経済は、豊かさを「循環」させるということがポイントなのです。

これは、案外、見過ごされて、過小評価されてしまう論点です。

特に、モノ作りの得意な日本人は、

「生産」して「売る」ことは好きで上手で価値があると理解しますが、「消費」ということになると、途端に、消費は悪だ、ムダ使いをなくせ、などなど、消費についてはマイナスの評価をしてしまい過ぎるのです。

ですが、経済の中で、「生産」と「消費」は吊りあっていて、価値は同等なのです。

「生産」だけが尊くて、「消費」が悪なら、経済は循環しないものです。

別の例でいえば、

息を「吸う」のと「吐く」のと、価値は同じですね。両方あってはじめて呼吸が成立して、生命も健康も保てます。それと同じなのです。

ですから、

デフレで日本人がサイフのヒモを締めたこの10年間というもの、日本はアメリカなどから「国内需要を掘り起こせ、輸入を増やせ=国内消費を高めて、発展途上国からモノを買ってやりなさい」と言われつづけてきた訳です。

日本は非常な輸出国で輸入が少ないのですから、息を吐いているだけで、あまり息を吸ってない状態なわけです。

これは、非常にアンバランスな状態だということなのです。

この、日本人の「生産」優位ぶりを指摘しているのは、経営の神様といわれる松下幸之助氏だと、竹村健一氏が紹介しています。

松下幸之助氏はすでに20〜30年前に

「消費するために生産するのであって、政治や経済、道徳、一切は消費の喜びを中心として考えられるべきである。そうならなければならないのだ。ところが、今日においては消費の喜びを高く評価しない。この誤りは再検討を加えなければならない..」

と指摘していると言います。

つまり、「生産」は「消費」で完結する、ということですね。

ここでも、「循環」が要諦だと、指摘されているわけです。



■ラスト・リゾート

これは、どの国のことかと言えば、アメリカのことなのです。

発展途上国が輸出する農作物などの原材料から各種の軽工業製品などまで、ありとあらゆるものを買い上げているのはアメリカなのです。

ですから、

発展途上国は、低い工業力で生産したモノでも、アメリカは買い上げてくれるので、自国の輸出が成り立ち、国の経済運営も回るわけです。そして、その輸出代金で、必要な物資を輸入しているわけです。

発展途上国の政府関係者は、各国に売れなかった農産物などが出た場合は、最終的にアメリカに買ってくれ、と言えるのです。

だから、アメリカを「ラスト・リゾート」だと表現するといいます。どうにかしてくれるわけです。

そうでしょうね。

日本は品質のまだ良くない発展途上国からの生産物を、魅力がなくて国内では販売できないとして、あまり輸入していないからです。つまり、発展途上国の経済育成に、あまり貢献していないわけです。


こうした、世界経済を回すという観点から見ても、


アメリカは世界全体に対して責任を行使しているという、良くも悪くも強い強い自覚があります。

アメリカの一極支配が指摘され、反米感情も一定%あるのは事実ですが、現在の世界全体を見回して、この役割を果たす国は、アメリカ以外にはないのが現状です。

日本は、このアメリカを抜いて、ナンバーワンになっていくのでしょうか?

それには、

この、生産と消費の循環というポイントを押さえた上で世界経済に貢献するのだ、という自覚が日本人に生まれる必要があると思われます。

つまり、

「世界全体を食わせていく」という、強い自覚と使命感、とでも言いましょうか。

日本がさらに世界に貢献していくには、この自覚と使命感が必要だと、筆者は考えます。


世界経済を書くつもりが、前振りで終わってしまいました。続きは来週です、お楽しみに
 
 <Rei>

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