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■大恐慌の産物、ヘッドハンティング 【2002年9月8日】
ヘッドハンターという言葉が日本に定着したのは、ほんのここ10年のことです。
いまでは、ベンチャー企業や外資系企業のトップやミドルマネジメントだけではなく、日本企業でも、明確な業務として確立した分野は対象になっているといいます。
ある日、あなた宛てに1本の電話が鳴ります。
相手はどうもあなたの仕事ぶりについて情報を持っていて、ある確信をもって電話をしてきているようです。そして、「..可能性のある有望な事業とポジションをご説明したい..」と言ってきます。
サア、あなたならどうするでしょうか?
1、 マユツバものとして、相手にしない
2、 今の仕事を変える気がないことを伝えて、断る
3、 今の会社を移る気がないことを伝えて、話しだけ聞くこ
とにする
4、 一応会うことにして、ヘッドハンターの会社を手を尽くし
て調べてみる
5、 自分が選ばれた理由を電話で聞かないと、話しを進
めない
6、 とにかく、一度会ってみて、そこで話しを聞いてみる
ヘッドハンティング会社の社長さんがいうには、1番と2番のタイプの回答をした人は、そのときトップだとしても、その時点でノミネートシートから消されるのだそうです。
トップは、世の中の情報に敏感でなくては務まらないものです。日々よりよい情報を探してアンテナを張り巡らしている、そういう、世の中に対してオープンに心を開く精神的態度を取れない人は、少なくとも事業トップの資質に欠けると判断されるといいます。
このヘッドハンティング、つまり、引き抜きが、日本人のメンタリティとして受け入れられるようになるまでに10数年。別な見方をすれば、10数年で受け入れられるようになってきたということで、こちらの方がすごいのではないかと思えてきますが。
この、ヘッドハンティングというビジネスの生い立ちが、とてもおもしろい。
1929年のアメリカ、大恐慌でバタバタと会社が潰れ、失業者が大量に街にあふれ、株で破産した人が絶望のあまり自殺したり、不況のどん底に喘いでいたちょうどその時に生まれた、ビジネスだといわれます。
多くの企業倒産で、優秀な人々が、大量にあふれ出たわけです。そのとき、アメリカの起業家たちは、それこそアントレプレナー精神で、次々に新しい商品やサービスを考えだしてビジネスを興して、事業化していったのですが、その際に、優秀なトップやミドルマネジネントが必要になってきます。優秀な人を探したいというニーズが起こっていきます。
このニーズに、最初は経営コンサルタント会社が対応しました。いろんな会社トップの情報や業績、倒産情報、起業情報を手にしていたので、最初は口コミで、次第に片手間の紹介から、事業部へ、別会社へ、そして別業界へと成長していったというわけです。
この1929年の大恐慌に端を発した世界恐慌は、世界規模にまでに広がった経済システムの制御方法が確立されていなかったために、全世界がその影響を受けて苦しんでいます。ケインズ理論が出る前のことです。
この大恐慌で見逃せないことがあります。一見すると苦しいどん底のときに、現在の私たちが生活している社会の便利な商品やサービスのほとんどが独創され、開発され、事業化、制度化されていったという点です。大量生産システム、マス広告などもそうです。
この歴史は、今の日本にも当てはまるという点で、重要だと思います。
今の不況や社会のリストラ=構造改革を、21世紀社会になっていくための生みの苦しみとして積極的に捉えることがポイントになりそうです。
これだけ優秀な最先端技術があり、ものづくりへの歴史と情熱があり、高学歴で倫理性の高いスタッフを雇える国は、そうそうないです。しかも、男女共に80才近くまで寿命があります。
日本で2000年にインキュベーター会社「サンブリッジ・ベンチャーハビタット」を立ち上げたアメリカ人社長、アレン・マイナー氏は、今の日本に必ず20〜30年後の世界のリーディングカンパニーが生まれているに違いない(経営予測エイジ '02
8月号 Vol.30)、と日本のベンチャーに賭ける確信を語っています。
きっと、自国の話をおじいさんなど周りの大人から聞いて、そういうものだと知っているのではないでしょうか。
起業家の方には、ぜひアントレプレナー精神を発揮して、頑張っていただきたいですね。そういう事業を興していく人を大事にしていく、応援していく、協力していくことで、新しい事業が起こり、会社ができ、新しい雇用が必要になり、投資をする人も出てきて、また社会全体が次の発展の軌道に乗っていけるようになるからです。
新しく事業を興す人を援助するアメリカの「エンジェル」も、こうした起業家を大切にする国柄から出てきていると思います。そういった意味でも、あの大恐慌からの回復は、アメリカの人々が一人ひとりの持ち場で底力を出して、乗り切っていった事例として学びになると思います。
苦しいときにこそ強い会社が生まれるというのは、説得力があります。今を凌いだ企業が本物なんだということだと思います。販売促進ライターとしては、こういうクライアントさんを応援したいなあ、とつくづく思います。
不況や会社の業績悪化を、政治や国際情勢のせいにする人や会社は、自分たちの生き方ややり方を変えようとしません。悪いのは政府や政治、国際情勢なので、自分じゃないと思っていますから。
でも、実際は、時代が刻々と移っていきますから、求められる商品もサービスもちょっとづつ変化していくんですね。じっとしていたら、すぐ遅れていきます。そういった意味でも、販売促進ツールもこれから変わっていくと思っているのですが..。
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