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一人でやれば個性、皆でやればそれはカルチャー。

人間社会の多様性を知る楽しみがあります。

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■教育のグランドデザイン(2) 【2003年7月14日】  
変わる「塾」 / 塾で成績が上がらない? / 反復練習のスゴサ
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日本の教育に起きている現状を駆け足でまとめています。
先週は、「ゆとり教育」による基礎学力の低下がはっきりしているにもかかわらず、
抜本的な「教育」のアウトラインを描けずにいる現状を見てみました。
今週は、「塾」を取り上げます。


■変わる「塾」

今の「塾」が抱える問題点はいろいろ挙げられるでしょうが、現時点で最大の問題点は何だろう、と考えてみました。

それは、やはり、

「塾」は、学校に行った後に夕方から行かなければならないことだと思います。

今の時代では、2つの仕事を掛け持つ人もいらっしゃると思いますが、

9時ー5時の仕事を終えて、引き続き場所を変えて、6時ー9時の2つ目の仕事をするのはけっこうなハードワークです。今の子どもは、約2/3がダブルワーカーなのだと思います。

これでは、いくら「ゆとり教育」などと言っても、子どもはまず、体力的に疲れていることだろうと思います。

いくら、子どもの本文は勉強にあるとはいえ、昼夜掛けもちで勉強するのが当たり前の状態というのは、国の教育のあり方として変則的だと思います。

これは、「塾」が、学校の勉強を補完する民間の機関として始まったことに由来しますが、

子どもの約2/3ほどが塾に行く状況になれば、

「塾」の意味付け、日本の教育における位置付けも変わっていかざるをえないだろうと思います。例えば、「塾」だけで勉強する子どもにも日本の教育を受けた卒業証書を出して認定するなどです。

特に、オーバーフローする子ども、学力のある上位20%の子どもの場合は、

頭の一番スッキリして勉強に集中できる日中の大部分の時間を、学校というかなり退屈な環境に我慢していなければなりません。

そうして、ようやく学校から開放された「放課後」に、いよいよ本当の意味での勉強が「塾」で始まるわけです。難問題に取り組み、テストを受け、全国の仲間と切磋琢磨していきます。でも、残念ながら、体力的にも、頭脳的にも夜ですから疲れています。

そういう子どもは、学校を「生活の場」だと捉えています。いろいろな人が集まって行事をしたり一緒にクラスを作っている生活共同体なので、勉強のことを言い募るのは不適当なことで、何より協調性が大事だと感じているようです。

勉強は、「塾」でやるものという認識です。

こうなってしまった原因の多くは、やはり、悪評高い「ゆとり教育」にあると思います。

「ゆとり教育」に伴い、公教育で教える学問内容の30%を削ってしまいました。

これは、はっきり言うと、未来の日本国民に対して、今の人々より30%オバカな国民を作るということですから、各方面から非難を浴びているわけです。

こうしたお役所仕事に子どもの未来を託せない人々は、ますます公立学校を軽視して、「塾」へ、そして私立学校へと流れていっています。


■塾で成績が上がらない?

文部科学省でも、この学力不足には頭を痛めているようで、なんと、学校で分からなかった子どもは塾などへ行かせて基礎学力をつけるように、とまで発言してしまいました。

文部科学省自体が、塾を認めざるをえなかったということでもあり、それはそれで別な面では画期的だったのでしょうが、

この塾がまた問題ありなのです。

今、全国平均で、小学校の4年生で50%以上、5年生で65%、6年生で75%ほどが何らかの塾通いをしています。

ところが、

塾といっても、全国チェーンの有名進学塾から、個人塾、復習中心の学習塾、通常の学習塾までさまざまあり、この塾選びがけっこうな負担になっています。

また、塾に行っているのに成績が上がらない、という新しい悩みが出てきています。

少し前の「70,000人の塾に通う子どもの調査」では、塾に行って成績が上がっている子どもが、10人中約1.8人ほど。驚くほど低い数字です。

高い塾費用を払う親は、

「成績アップだけの目的で塾に行かせているのではない」
「家では勉強しないので外でやらせたい」
「とにかく学力がないのだから塾にやるしか方法がない」
「全日働いているから子どもの勉強を見る時間がない、塾に任せる」
「今の時代の勉強を家で見てあげる自信がない、塾に任せる」
「学校など問題にしていない」

などと答えます。とにかく、公立の学校だけでは不安なので、塾に行かせたいのだと思います。

【 塾がゴマンとある現在、親は何を基準に子どもに合った塾を選んだら良いのか 】

これは子育て中の母親にとり非常に悩ましい問題です。

毎日何件と掛かってくる学習業者の電話や、お母さん仲間の口コミ、ネット情報などを駆使して決めていくしかない現状ですから。

一番ラクなのは大手ブランド塾です。お母さん仲間でも格好がつきますし、親の役割を果たしていると満足もできます。成績が上がらなかったら、子どもに「頑張るのよ」と言えますし。

ところが、塾に行って思うように成績が上がらないのです。

結局のところ、

・母親が、子どもの基礎学力不足の実態を具体的に知らない
・子どものつまずき箇所の奥にある、「結局何が分かっていないのか」を親も講師も分かっていない
・その「分からない」箇所を、子どもに合わせた進度で教えてくれる教師や講師とどのように出会ったら良いのか分からない
・塾に行く以前の基礎学力が身についていない

ひと言で括ってしまうと、実力以上の塾に行っていると言えるのかもしれません。

教科書を中心に学ぶ大多数の子どもは、基礎学力を充実させ、その応用力をつけ、さらに発展問題までを考えて解く力を付けさせるという、学問の基礎段階でつまずいてしまっているようなのです。


■反復練習のスゴサ

「基礎学力」を磐石なものにする必要性は、頭ではなんとなく分かったような気になりますが、実際どんなものでしょうか?

これを書きながらちょっと、思い当たることがありますので、筆者の体験をご紹介してみます。

筆者は、文科系の人間でしたから、数学は苦手で大きくなりました。

数年前、プレステ体験用に何かやろうと考え、「数独」というゲームを買いました。大人も飽きずにできそうなものを、と買ってきたのですが、みごとにハマッてしまい、夜が明けてしまうことも度々..。

ゲームでは、縦横3マス、9マスある1ブロックが9ブロック、合計81マスに入れる0〜9までの数字を入れるだけです。

かなりハマり、初級、中級、上級コースをやり、ストーリーバージョンをやり、タイムトライアルをやり、別な解き方でやり、また最初からやる、次は別な解き方でストーリーバージョンという具合で、数年間飽きるほどやりました。

その後、卒業してしまいましたが、

だいぶ経ってから、数字に対する苦手意識、数字がからむ物事に腰が引けるような気持ちがなくなっているのに気づいていきました。アレッという感じです。

0〜9までの数字1つ1つにその数字固有の個性があり、その手触りとでもいえるような感覚が少し分かるようになっていました。手のひらで、数字のボールを転がしているような感覚です。

そして、計算という表面上の作業の奥にある、論理の筋道が見えてくるようになっていたのです。

きっと、これは、「数独」に嵌って身に付けた感覚だろうと思います。

そして、一定期間1つのことに集中することで得られる「蓄積の効果」というものを実感できたというわけです。

よく、

偉人伝などを読むと、5〜6歳から祖父に論語を毎朝素読させられたなどという箇所が出てきますが、ン十歳の私でさえゲームでこうですから、

子ども時代のこうした基礎学力への集中は、1滴づつカメ底に溜まり、あるときに質的な変化をきっともたらしていくのだと思われます。

今、公立の学校からは、家庭学習時間を取るよう両親にお知らせが行っています。

「学年+15分」いや、「学年x15分」などと言われます。

「塾」も「学校」と同じで、多人数の生徒を集めて教えていくスタイルですから、どうしても子どもは学校同様受身で授業を受けがちです。

すると、ちょっと疑問に思ったことを手を挙げて聞く勇気のない子どもは、そのちょっとしたあやふやなものを抱えたまま授業を受けつづけます。

そして、

習ったところのテストを受けますが、それも学校と同じで、まず1回だけです。学校の授業と同様に、毎日習うものが変わり、その単元ごとのテストがあるだけです。

こうした、学校スタイルを採る「塾」で基礎学力を定着させていくのは、不十分なのかもしれません。

お宅では、基礎学習を何かやってらっしゃいますか?

来週は、母親の問題を眺めてみます。お楽しみに 
<Rei>

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