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【読者の意見】へ




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2004年3月の台湾総統選挙後に、
当分揺れる台湾をめぐり、軍事の切り口からこの東・南シナ海を眺めてみます。

先週号の「中国の潜水艦〜」コラムに問い合わせメールをいくつかいただきました。
潜水艦は結局何をしているのか、中国が攻撃するのか、コワい..などなど。

どうも、軍事というだけでコワいと思われると、残念ですー <(_ _)>
それに、書き方も舌足らずだったようですので、追補したいと思います。


■追補・中国の潜水艦が探るもの
  【2004年4月11日】
遠交近攻 / 情報の価値 / 台湾海峡の有事
   「中国の潜水艦が探るもの」 を読む


■遠交近攻

この熟語は、ご存知の方もいらっしゃるでしょうが、「えんこうきんこう」と読みます。

「遠方の国家と結んで(同盟して)、近隣諸国と対決する(攻める)」という外交戦略を意味するもので、中国の古典「戦国策の秦策」が出典だといわれます。

遊説の士、范雎(ハンショ)という人が、秦の昭王(始皇帝の三代前)に説いた言葉で、秦はこの外交戦略を国是として採用して、天下統一を成功させたのだそうです。

この原則は、現代にも通用する政治・軍事の要諦だといわれています。

つまり、中国、韓国、北朝鮮なども、この「遠交近攻」を念頭において日本に対して行動しているということですね。

そういわれてみれば、歴史教科書、靖国参拝、尖閣諸島、反日法案可決などなどの対応を見てもうなずけます。

近隣諸国と仲良くするというのは、この両面が裏表になっているものだということですね。

この中国故事からみても、民間の交流往来は盛んになりますが、戦争の危機はまず近隣国と始まるのがほとんどです。通常は、つきあってもいない遠い国とは戦争にもなりません。(イラクの場合はこれに当てはまりませんが..)

つまり、近隣諸国というのは、外交戦略上は半面、油断のならない、むしろ敵対すべき関係にあるという冷厳な現実を「遠交近攻」は喝破したものなんですね。

中国という国は、昔からすぐれた戦略家が輩出しています。孫子といい、諸葛孔明といい、「遠交近攻」を提案した范雎といい、皆すぐれた戦略家です。

ものごとをこのように観て、戦略を立てて進むのが上手な人々で、それでけっこう大帝国を作ったり、破られたり、という離合集散の抗争の中で数千年過ごしてきているわけです。

そうした人々に対して、「平和友好」を真に受けて浮かれられない、観るべきものは観て、打つべき手は打たなければならない、その上での友好だということだと思われます。

いま、日本人は経済規模の魅力から中国に目が行っていますが、この「遠交近攻」の原則から観て、中国一辺倒にならずに、その奥に位置するインドと手を組む道を考えられないか、研究した方がよいという意見をいう識者もいて、それなりに一理はありそうですね。


■情報の価値

「遠交近攻」の原則が底流にあることを忘れずに、近隣情勢を見てみたいと思います。

前回の出ましたが、毎年アメリカで発表される中国の軍事戦略・情報を分析した「中国の軍事レポート」は、情報、軍事などの専門家が分析して結論付けたもので、情報価値が高いとみなされているものです。

近隣国の動向をつかむことは、結局、いかに質の高い情報を集めて正しく相手国を分析していくか、ということにかかります。

この、情報収集ですが、第二次世界大戦では戦う前にこの「情報戦」で負けていたといわれるとおり、日本は「情報収集と管理と使いこなし」はかなり不得手だと思われます。

第一次世界大戦は軍艦中心の戦いでした。その後、レーダーが開発され、第二次世界大戦では航空機主体の戦いに移行しましたが、

このレーダーの原理を発明したのは日本人です。でも、その当時、日本人はレーダーの価値を理解できずに捨てた技術を、アメリカが軍事用レーダーに仕上げたといわれます。

現在、ようやく、日本でも北朝鮮対策として必要性を痛感してきて、スパイ防止法も、情報収集局の設置も必要じゃないか、との声が挙がってくるようになっています。


■台湾海峡の有事

政治外交、軍事の専門家筋は、台湾問題に日本として正面から取り組むべき時期だと警鐘を鳴らしています。

それは、

中国が2008年のオリンピック開催に成功して、安定した国として世界に強く印象付けられてしまうと、台湾独立が難しくなるので、その前に台湾独立派は憲法改正(2006年)と新憲法施工(2008年)を実施して独立を意図している、と見られている通りです。

その独立派の陳総統が今回の選挙で、辛くも再選されて、まだ少々混乱しているわけで、この中国・台湾の摩擦が表面化していくのが予想されます。

孫子の兵法にも、戦いの要諦は奇襲だ、とあるくらいです。中国人は孫子の末裔を任じているでしょうから、台湾攻撃をする場合は、当然先制奇襲でしょうね。

専門筋のシナリオ(杏林大学 総合政策学部教授・平松茂雄氏)では、

・まず、台湾対岸から短距離弾道ミサイルと巡航ミサイルを打ちこみ、台湾の政治・軍事中枢・通信・ 空軍施設などを破壊する。
・その後、航空機、艦艇を繰り出して、台湾海峡の制空権・制海権を掌握して、
・渡海・上陸作戦を進める。

アメリカが台湾に駆けつける前に壊滅状態に陥れる戦略だろうといわれます。

そのとき、アメリカの空母を台湾に近づけないようにするために、台湾周辺海域に機雷を敷設する準備として、現在、中国の潜水艦が台湾の周囲の海洋調査に入った、ということのようです。

これは、必ずそうなる、ということではなく、中国も台湾独立時の対応として準備に入った、ということです。

中国の憲法には、台湾独立を認めない1文が入っており、中国共産党にとって台湾独立阻止は曲げられない基本原則だという立場ですから、

台湾の独立行動がもしあるなら、2008年開催予定の中国オリンピックが吹き飛んで国際社会から批難されても=台湾侵攻をして独立を阻む最終決定に、北京の政府と軍部が合意した、という情報もあるようですが、信憑性のほどはわかりません。

今現在、チェイニー米副大統領が中国を訪問中ですが、

これは、中国が台湾のどんな動きを「独立行動」と見なすのかをアメリカに示して、台湾とアメリカをけん制しようというものですが、

その裏には、2008年までには、台湾を奇襲する中国軍備の革新が間に合わないという現実があるようです。

隣国として、推移を注意深く観ていくことですね、今のところは。

来週は、黄砂を巡る地球環境についてです、お楽しみに  <Rei>

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