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中国投資への皮算用
【2002年8月26日】


人口13億の中国マーケットがもてはやされ、日本企業向けにも、中国人エコノミストやアナリストらが盛んに中国投資のメリットを説いて脚光をあびているといいます。しかし、ホントーにバラ色な見通しなのでしょうか。

手ごわいとはいえ、投資をしなければ他社に先んじられるからと、皆がやるからという理由で中国ビジネスへ手をつけた場合は、手痛い失敗をする企業が今後も増えていくのではないでしょうか。

理由の一つは、中国は共産党1党独裁の国柄であること。
理由の二つは、日本人が中国の国と国民性をよく理解していないこと。
理由の三つ目は、13億の頭数に幻惑され、1人当たり可処分所得で観ていないこと。

共産主義といえば、裕福なブルジョワ層から人民のために富を奪い取ることは善であるとして、収奪に何の躊躇もしない考え方をします。それは国対国の場合でも、国対他国企業の場合でも同じ考え方をすることは、しっかりと頭に入れておくべきことだと思います。

中国は、欲しい技術があれば、国内に合弁会社を作らせ、そこで技術を十分学んだら、合弁を解消し、自分たちの企業を立ち上げる手法を採ると思われます。その際に、社屋、設備などの投資分の返済はどうなるのか、不明なままです。現物譲渡、没収、最後には国有化カードがあります。

彼らは、優れた技術を外国から和やかに貿易をして買ってきて使う人たちかといえば、今までの経過をみるとそうではないようです。核にせよ、ミサイルにせよ、潜水艦にせよ、宇宙ロケットにせよ、すべて自国内で生産して持とうとし、また実際にそうしています。

貿易というのは、言ってみれば、近隣国と仲良く分業しあうことを前提としています。輸出はするけれども輸入は絶対しない、という考え方では上手くいきません。別な言葉でいえば、息を吐くだけで吸わないようなものに近い。

日本の対中国ODAに問題ありとされるのも、日本からの援助は引き出すが、軍事費に公表の数字だけでも年に数倍、実際は10倍などと採り沙汰される額を注ぎ込んでいたりするからです。

自動車の例で言っても、日本のメーカー側は現地生産方式にした、と理解していることであっても、中国がそんなに長く外国との合弁会社の自動車を買い続けるとは思えないところに、この国の不確定さがあります。技術を習得した時点で、合弁を解消していく。そのとき、日本のメーカーは投資額をどのように回収できるのか、興味のあるところです。

ユニクロのように、製品の開発企画は日本で行い、中国の契約工場に発注するという方法は、貿易でも直接投資でもない形態として新しいものです。しかし、中国人をマネジメントして、良好な商品を完成させ、日本の流通に載せるまでには、商習慣の違いや途中の役人の介入など、クリアしなければならない関門が多く、にわか中国かぶれには荷が重そうです。

また、13億の人口は中国マーケットをバラ色にみせている基本データですが、開発の進みつつある沿岸部地域はいざしらず、内陸部は貧民状態のままに放置されており、その全体の平均年収が一万数千円程度という。これでは、年間の可処分所得額は多く見積もっても5,000円程度。

この細かい数字に当てこんだ商品で各メーカーや企業が競い合うことになりまする。可処分所得が年に8%アップするとしても、単純に計算して10,000円の可処分所得になるのに約9年ほどかかる。30年後にようやく30,000円程度である。こんな程度なのです。

しかも、一人っ子政策を採り続ける中国の人口が毎年膨張しているということは、つまり、人々は政府が何といおうが子どもをつくり続けており、この新人口が増えるほど、1人当たり年間所得も、可処分所得も食い込んでいくことになります。

中国の新経済特区の一風変わった摩天楼群がテレビに映るたびに、複雑な思いがよぎるのは私だけではないのではないでしょうか。
<Rei>

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