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一人は皆と、皆は一人と、共に影響しあって、世界は動いていきます。
もう無関心ではいられない、世界の動きを検証します。
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■法輪功って一体ナニモノ?【2002年8月9日】
■中国の中の出来事はなかなか分かりにくい
一番の理由は、中国が1949年の独立以来、中国共産党の1党独裁による政治体制をとっていることによります。つまり、中国には、世論というものはいまだに存在していないのです。でも、テレビもラジオも新聞もあるのにと、思われるかもしれませんが、官制のものなのです。国民は言いたいことを何の気がねなしに言ったり、書いたりできません。つまり、政治に反対したら命はないから本心はよほど信頼しあっていないと語らない国柄なのです。つまり、言論の自由はない国なわけです。いきおい、中国の世論に相当するものは外部に洩れてきにくいことになります。しかし、何といっても10億人です。人間を黙らせておくなんて、このインターネット時代に本当にいつまでできるのでしょうか。
気功集団「法輪功」が非合法化されたという報道があったとき、私はワケが分かりませんでした。テレビ画面には、男女が多数集まり、気功らしいポーズを取っているのが映し出されています。中国の庶民の朝の恒例としてよく映るものに公園での太極拳がありますが、どうもそれより若い男女が思いを1つに詰めているような様子です。どこかの建物に座り込みをしていたりもします。
でも、その伝統的な健康体操のような「気功集団」が宗教の範疇に入るものなのか、宗教だとしてどのようなものなのか、何が共産党の逆鱗に触れたのかといった情報は入ってきません。とにかく、共産党より非合法とされた彼らは、当然地下に潜ることになり、ますます、日本のマスコミには登場しなくなっています。日本人ジャーナリストはあまり興味がないか、情報が取れないことがネックなのでしょうか。
最初に、旧ソ連がアタマに浮かびました。確か、マルクスが『宗教はアヘンだ』といい、宗教をはき捨てたため、旧共産主義国、社会主義国では宗教を非合法としているからです。その流れで、中国共産党がまた、建て前として宗教を非合法化するというのはありえます。が、中国の庶民には道教のにぎやかな廟は信仰の対象として繁盛しているのだから、どうもしっくりきません。
しかも、旧共産主義陣営諸国が崩壊後に真っ先にしたことは、自国の宗教の復活だったのであり、ロシアでもこの70年以上うち捨てられていたロシア正教会にイコンを再度安置し、ろうそくを灯し、人々が正式に信仰を取り戻した様子がテレビに映っていたのは10年も前のことです。
それに、法輪功が宗教団体なら、政治的な座り込みなどで登場しすぎるようにも思えます。どうも、宗教または気功を隠れ蓑に何か政治的な動きをする集団のように見えます。
そう思いつつ中国関連の書籍を当たっていたら、東京外国語大学名誉教授・岡田英弘氏の著書「この厄介な国、中国」(ワック文庫)で、『中国の民衆の不満は、歴史的に常に秘密結社を母体にしてふくれあがり、爆発し、時の権力を倒していくような動きをしている』という箇所に出会いました。「紅巾の乱」を起こした白蓮教という秘密結社、白蓮教系の秘密結社である「義和団」、中国共産党や中国国民党の創立にも深く秘密結社が関わっていると、氏はいいます。
古来、中国には皇帝の強権のみが存在し、民主主義が育つ土壌はありませんでした。その政治スタイルは、今も変わらず、中国共産党による1党独裁にとってかわっているだけであり、4000年前となんら変わっていません。言論の自由を抑えつけられた人々は、いつの時代でも出口を探して、秘密結社を作ってはその政治的要求をラディカルに表現していくことになるようです。秘密結社は、皇帝専制下の中国庶民の生きるチエとして生まれたものであり、また、その活動の歴史も長いといいます。
だからこそ、中国共産党は、その危険を充分察知していて、法輪功をすばやく非合法化したのだと理解できました。
中国人は国のことなど相手にしていない、自分と家族のことしか考えていない。といわれますが、4000年も専制政治か戦乱が交互に続くとしたら、そして民主主義的土壌を1度も経験していないなら、この中国人独特の性格は、歴史的にできあがるべくしてできあがってきた性格なのだと思います。アジアを中心に各国に居住する華僑も、彼らにしてみれば、国は安定さえしていればどこでもいいのではないでしょうか。自分たちの家族が無事に安心して暮らせたら。
この中国が、無事21世紀に共産党1党独裁から民主化していくには、どれほどの工程と忍耐と血と汗と涙が流れることになるのでしょうか。血を流さずに民主化していけるゴルバチョフのような政治家は出てくるのでしょうか。それとも、人々に主権のある開かれた社会への移行は当分無理なのでしょうか。 <Rei>
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