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【読者の意見】へ




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中国サッカーファンの反日行動が噴出した形となり、その背景解説がなされています。

・中国の反日歴史教育の成果だ
・歪んだ経済発展のガス抜きに、中国政府が「反日」を使っている
・中国ナショナリズムの勃興だ

などなどの論調が出ています。

今回はこのホットな話題をさらに掘り下げて取り上げてみます。


■反日の多重構造
  【2004年8月9日】
 「時効」を理解できるか / 共産主義には「敵」が必要 / 奥にある恐怖
   


「時効」を理解できるか

今回、中国サッカーファンの反日的な応援、競技開催ホスト国としての対応の未熟さなどなど、さまざまな面で「反日」問題が表面化しました。

ひと言で片付けてしまえば、民度の問題と言い切ることもできましょうね。


では、その「民度」の、何が問題なのでしょうか?


1990年代以降に頻繁になった、中国や韓国民衆を先頭にした反日的な言動ですが、中国や韓国を率いる政権担当者たちも、本気で民衆のように考えているものでしょうか?


第二次世界大戦は、終戦からすでに今年で59年目です。
そうなのです、もう60年以上前の出来事なのです。


実は、この「反日感情」の深層にあるのは、

「法治」が理解できるかどうか。それが問題なのだと思われます。

民族が、「近代国家」という段階に入るには、この「法治」という概念を理解し、「法治」により個人も国家も言動をコントロールできることが条件になります。


どういうことかと言いますと、


「近代国家」には「法律」があります。その法律に従って行動し、はみ出たら刑罰があることが、衆知の常識になるということです。

法律を犯せば、逮捕され、刑罰を受け、一定期間の刑に服します。

そして、

刑期が終了すれば、社会復帰して、人生を再スタートさせても良いことになっています。永遠に許されない、などということはないわけです。

それは、人間は間違いを犯しやすいものですから、一定の償いで補償するということですし、また、時代が過ぎて関係者一同が亡くなってしまい、被害感情も薄れるということもあります。社会全体としても記憶が薄れ、どんな被害を受けたかを思い出さなくもなります。

ですから、

どの国の法律にも、「時効」という概念があります。

国家間の戦争というものも、同じです。「賠償」があり「主権回復」という「時効」概念が働くわけです。日本が戦後に主権回復したのも、この「時効」概念に則っているわけです。


さて、

こういった観点から見てみると、中国・韓国の人々の意識の奥では、まだ、この「時効」という概念が少々希薄だということです。

つまり、これは、中国・韓国がまだ「近代国家」として、「近代国家の国民」としての資格に欠けるところがあることを意味しているだということでしょうね。

厳しい見方ですが、まだ、「近代国家」の仲間入りができていない部分があるということです。


「時効」がない、ということは何を意味するか、といえば


近代国家以前の「仇討ち」の世界に生きているということです。


21世紀の今現在、世界を見渡せば、イスラム圏も、まだまだ「仇討ち」の世界に生きている典型の人々ですね。際限なく、「やられたらやり返す」ことを繰り返しています。


日本でも、この「仇討ち」時代は江戸時代まで続きました。近代国家として明治で脱皮するまではそうでした。四十七士の討ち入りなど、歌舞伎にもなって残っているとおりです。

こうした「仇討ち」の世界は大変です。「時効」がありませんから、

父親などを不当に殺された武士の家族は、以後、まったく人生が一変してしまい、親の仇を討つために一生を捧げることになり、まっとうな人生設計は吹き飛んでしまい、仇を探して全国を流浪して最後は浮浪者のようになり野垂れ死にする者もけっこうあり、かなり悲惨だったようです。

こうした仇討ちの世界では、社会全体も、仇討ちの遂行を当然の行為と見ますから、イヤでも親の仇を討たなければ、親不孝者であり、不忠義者と見なされるわけです。


近代国家の「法治」という概念は、こうした「仇討ち」の息の根を止めるものです。



■共産主義には「敵」が必要

中国の政権担当者などが、この「近代国家」の「法治」概念、「時効」概念、対極にある「仇討ち」の概念について知っているのか? ですが、

もちろん、少なくとも1国のリーダーですから、知らないわけはないのです。「近代国家」の概念を知らずにいまどきの政治家はできないのです。


彼らも、もちろん、知っています。

経済評論家の長谷川慶太郎氏が、以前、中国の政治家にこの「近代国家」と「時効」の話をしたところ、その場が水を打ったようにシーンとしてしまった話を日本人向けにされていましたが、

その話を聞く日本人のセミナー会場全体も、シーンと水を打ったようになっていました。


この「時効」と「仇討ち」の話は、

中国も自国の民度の低さを指摘されてギクリとしますが、

頭を下げ続ける日本の行為も、結局、「法治」も「時効」も分かっていないことなので、ショックだからです。


ここから見ても、結局のところ
中国の反日感情を引き出しているのは、頭を下げ続ける日本の態度なのだということが分かります。


中国の政権担当者は、「反日」言動が

自国国民の民度の低さを現わし、決して褒められた言動ではないことを良く知っています。分かっています。

それでも、敢えて、

自国民に反日教育をし続け、国民らの反日行動を黙認しているのには、彼らなりの計算があります。

それは、各専門家が指摘しているように、やはり

中国の経済発展が歪んだ形で進み、その社会のストレスが高まっているため、ガス抜きに悪者を必要としているからでしょうね。

ただし、なぜ、中国が悪者を必要とするかについては別な観点からも指摘でき、筆者はこの視点をさらに強調したいと思います。


それは、


共産主義の1党独裁政権というもの自体の特徴についてなのです。

第二次世界大戦で分かったことのひとつが、共産主義は必ず敵を必要とするものだということでした。そして、その敵に対して戦うのに、国民を一方的に誘導して集中できる1党独裁政権が一番有利だということなのです。

ですから、ナチスドイツを撃破したのは、ソ連のスターリン共産党1党独裁政権でした。

国民の自由がなく、共産党独裁政権が国民を方向付けして、そのエネルギーを集中させますから、戦争には非常に有利だと指摘されています。

しかも、

共産主義は、必ず、「人民」と敵対する「敵」を設定して攻撃を仕掛けます。つまり、共産主義を維持するには、常に国民に「敵」を意識させる必要があるわけです。

日本を敵視しつづけるウラには、こうした事情があります。


それにしても、


なぜ、日本がいつも「敵」なのでしょうか。直近の戦争だけが理由でしょうか?

中国は、アメリカを敵国として位置付けていますが、アメリカには、日本に対するようなあからさまな反米行動は仕掛けません。

そんなことをしたら、アメリカが黙っていないのを彼らも良く知っているからです。

つまりは、強い者には楯突かず、反撃しない者には居丈高な態度に出てくる。筆者は、そこに、中国人にかかわらず、アジア人種独特のメンタリティを感じます。

これは、アジア人種独特の一種の劣等感の表現方法でもあるのではないでしょうか。



■奥にある恐怖

このほかにも、中国の経済発展に呼応したナショナリズムの興隆も見逃せません。

「近代国家」というのは、国民国家というまとまりで1つの民族なり特定グループがまとまっています。

日本は明治期に国民国家として脱皮しましたが、中国は国民国家としてのアイデンティティを醸成するまでにはいかず、ようやく周回遅れで現在、中国人というアイデンティティの高まりが見られるとおりです。

この、国民としての自覚の有る無しが、何に影響するかといえば、

端的に言って軍隊に出るのだそうです。明治時代の日清戦争では日本が勝っていますが、軍隊の質が、清朝の軍隊と日本の軍隊ではまったく違ったといいます。

日本軍は、すでに国民としての自覚のある兵士たちでしたから、国や父祖に殉じて戦います。それが、国民国家=近代国家の軍隊です。

片や、清朝の軍隊は、傭兵の軍隊なのです。

違いは、傭兵の軍隊では「夜襲」と「散兵=兵士をバラけさせて前進する」ができないのだそうです。

つまり、お金で雇われて戦う兵士には忠誠心を要求できず、「夜襲」や「散兵」をやると、命が惜しいので闇に乗じて逃亡してしまう者が多かったのだそうです。

国民国家=近代国家の軍隊は、日本人というアイデンティティが確立していますから、「夜襲」作戦を展開しても、誰も見ていない暗闇でも兵士は軍務を遂行して逃亡しないわけです。

ですから、当時の清朝の軍隊は、日本軍に歯が立たず、負けています。


その後も、

中国の軍隊は近代国家の正規軍というよりは、共産党の人民解放軍といえどもゲリラ(馬賊、匪賊)の集合体に近い状態が続いていますから、日本軍の強さを知っているのだそうです。

それで、

日本を批難し続けることで、日本に絶えず頭を下げさせる状態にしておきたい心理が働いているといいます。

そうすれば、悪いことをしたと感じ続ける日本が中国を攻撃することはないだろう、という読みが働いていると、旧国民党の将校として兵士を指揮して日本軍と戦った中国人が言及しています。

これも、ある程度的を射ている観点でしょうね。

ですから、中国の過剰なほどの反日教育や反日行動の奥には、実は、強い日本軍とは戦いたくないという本音=恐怖心も透けて見えてくるというわけです。

何はともあれ、経過を見ていましょう。
 <Rei>

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